太田 峰夫(西洋音楽史)
- 研究テーマや研究の手法について教えてください。
作曲家ベーラ・バルトークの音楽を中心に、音響再生産メディアの歴史、モダニズム音楽の歴史、民族音楽学の歴史を研究しています。最近は古い演奏習慣にも関心があって、ヨーゼフ・ヨアヒムなど、19世紀の弦楽器奏者についての研究もしています。
扱う資料はテーマごとに変わってきます。民俗楽器ツィンバロムの研究では、音楽学校の古い名簿や新聞記事をたくさん扱いました。ヨアヒムの研究では、19世紀のヴァイオリン教則本、彼が校訂した実用版楽譜、彼自身の録音、弟子の書いた教則本、いろいろな回想録などを調べます。バルトークの研究でも自作自演録音は面白い資料です。楽譜を見ながら演奏を細かく聞くと、いろいろなことが見えてきます。
- 研究室に所属されている学生はどのようなテーマで研究を行っていますか?
テーマはいろいろです。中欧・東欧の音楽を研究している人もいれば、ポピュラー音楽理論を学んでいる人もいます。軸になる問題意識がないとやっていけないので、テーマを選ぶ際にはいろいろ話し合いますが、あとは並走する感じです。もちろん、必要に応じて、介入することはありますが。
- 研究へのモチベーションについて教えてください。
大事にしているのは、やっていて面白いかどうか、です。その際、トピック選びももちろん大事ですが、よい一次資料や先行研究にめぐりあえるかどうか、よい研究仲間に出会えるかどうかも重要な要素です。自分の場合は論文や発表原稿を書きながら、脳内で研究仲間と議論している感じになれれば、それが大きなモチベーションになります。
- メッセージを一言。
感じたことを言葉にするのは、創造的な仕事です。かりに音楽や音のことで、感じたことを言葉にしたいと思ったならば、音楽学をはじめるのは今です。本学でも音楽学の関連行事をときどきやっていますので、皆さんもぜひ足を運んでみてください!